top of page
検索

多施設連携とは

  • 精神科の包括ケア
  • 14 分前
  • 読了時間: 4分
多施設連携

多施設連携とは、医療施設、介護施設、福祉施設などの異なる専門分野の施設が、患者や利用者の情報を共有したり、連絡を取り合ったりして、患者や利用者を支援する体制のことです。多施設連携は、生活全般をサポートする包括ケアにおいて重要な役割を果たしています。


目次


多職種連携との違い


多施設連携と似た言葉に、多「職種」連携があります。多職種連携とは、医師、看護師、作業療法士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどの複数の専門職の人間が連携してチームを組み、一人の患者やその家族をサポートするもので、すでに多くの病院内で行われています。


多職種連携は病院という一つの施設の中だけでも完結するものです。多施設連携でも、異なる職種の人間が一人の患者を支援するので、多職種連携の側面があります。一方で、多施設連携では、患者側が複数の施設を利用するのが特徴です。たとえば、クリニック、薬局、ヘルパー、就労支援施設やハローワークなどの複数の施設を利用します。


多施設連携で入院を防ぐ


多施設連携の最大のメリットは、入院する必要が減ることです。病院に入院すると多職種が色々な面をサポートしてくれます。これはとても便利ですが、やはり人間は自分の家で好きに過ごしたいものです。ずっと入院していると自由が無くなり、好きなこともできませんし、仕事することもできません。また、入院は費用が高くなり、お金の問題も出てきます。


多施設連携により、自宅に住みながら、病院と同じように多職種により多方面からの支援を受けることができれば、入院しなくて済む可能性があります。また、たとえ入院したとしても、多施設連携により自宅での支援体制を整えれば、早期退院させることができるメリットがあります。


特に、精神科病院への入院は強制入院であることが多く、患者本人が嫌がるケースが多いです。多施設連携により入院しなくて済むのであれば、患者側としてはとても助かります。


多施設で生活全般を支援


病気や障害を持つと、医療的な治療やケア、リハビリなども大事になりますが、家事のサポート、日々の介護、経済的な支援、仕事の支援なども必要になることがあり、一つの施設だけではとても対応しきれません。医療機関だけでなく、多施設を利用すれば、病気や障害によって生じる全ての問題に対応できます。これも多施設を利用するメリットです。


選べるメリット


患者が自らどの施設を利用するか選べるのもメリットです。一つの施設があれもこれも提供してくれるのも便利ですが、患者側に選択の自由はありません。病院に入院している時に、患者側から「私は、この医師と、この看護師と、この作業療法士を選びます」などと言うことはできず、勝手に担当者が決まります。しかし、多施設連携では、患者側は好きな施設を選ぶことができます。そして、選ばれた施設は、それぞれで連絡を取り合い連携して患者を支援します。制限なく自分に合った組み合わせを自由に選べるのも多施設連携のメリットです。


多施設を利用するのは面倒


多施設連携のデメリットは、患者側がいくつもの施設を利用するのが面倒な点です。多くの人に会いたくないとか、いくつもの施設に利用登録のために行かないといけないとか、わずらわしい部分もあります。


個人情報の取り扱い


また、複数の施設に自分の情報を共有されることに不安を感じる人も多いと思います。特に医療に関する情報は個人情報であり、関係者には守秘義務があります。個人情報の取り扱いが、多施設連携の問題点に挙げられることも多いです。


多施設連携と包括ケア


しかし、そんなデメリットよりもメリットの方が大きいと考えられ、多施設連携システムが進んできています。


最近は、地域包括ケアシステムという、自宅の近くにある複数の施設を利用することで、生活全般を支えるパッケージを作る仕組みが普及してきています。多施設連携は、この地域包括ケアシステムの中心的な役割を担います。


地域包括ケアシステムは高齢者医療で注目されてきましたが、最近は精神医療においても注目されてきています。日本には望まない入院を強いられている精神障害者の方がたくさんいます。精神医療にも包括ケアが普及することで、こうした望まない入院を減らすことができると考えられています。

 
 
 

Yorumlar


bottom of page