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精神科の包括ケアとは
​包括ケアとは

多施設共同パッケージで生活全般を支える仕組み

包括ケア(Comprehesive Care/Integrated Care)とは、精神科の包括ケアとは、医学的な治療、障害福祉サービスなどを組み合わせた多施設連携パッケージで生活全般をサポートする取り組みです。

 

病気になると、身体や心の問題だけでなく、お金の問題、仕事の問題、住居の問題、家族関係の問題など、様々な問題が発生します。こうした問題を解決するには、多くの施設の力が必要で、医療機関だけでは完結しません。お住まいの地域にある役所や行政機関(ハローワークなど)、障害福祉サービス(就労支援施設、訪問看護、ヘルパー、グループホームなど)など色々な施設を利用して多角的に生活を支える仕組みが包括ケアです。包括ケアは、お住まいの地域のサービスを利用することが多いため、地域包括ケアとも呼ばれます。

包括ケアの選択肢はたくさんあります。自分に合ったものを選ぶことが大切です。

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包括ケアは、高齢者医療や緩和医療を中心に普及してきましたが、近年は精神医療でも包括ケアの重要性が叫ばれています(WHO提言参照)。そもそも、心に影響することはとても多く、社会的な要因や心理的な要因も関係します。薬物療法などの医学的・生物学的な治療も有効ですが、それだけで治療できるほど、心は単純ではないのです。心の治療には、多面的なアプローチが重要です。

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参照:Comprehensive Mental Health Action Plan 2013-2030. 世界保健機関(WHO).

多くの人の力を集う包括ケア

包括ケア
ー多くの人の力をー

精神科の包括ケアのメリット

精神科の包括ケアは、医学的に正しい方法で精神疾患を治療した上で、仕事、人間関係、家庭、住まいなど生活のあらゆる面を支えます精神科の包括ケアでは、精神疾患を医学的・科学的に治療しつつ、就職の支援や経済的なサポートを計画したり、心理カウンセリングを行ったり、グループホームなどの住まいを調整したりします。​​包括ケアは、このように多角的なアプローチで、生活の質(Quality of Life)を全体的に引き上げます。

精神科の包括ケアは、社会とつながる仕組みでもあります。例えば、精神疾患で働けなくなる人は沢山います。働く、仕事をするということは、社会に貢献して報酬をもらうことです。今まで精神疾患のために働けなかった人が、包括ケアにより働けるようになれば、社会全体にとってメリットがあります。

精神科の包括ケアには、社会的入院を減らすメリットもあります。多くの統合失調症の方々が介護や生活支援のために精神科病院に長期入院することを社会的入院と呼びますが、入院では移動の自由を制限されるなどの人権侵害の問題があることから、社会的入院は社会問題になっています。包括ケアにより、自宅やグループホームで適切な医療、障害福祉サービスを受けられるようにすれば、社会的入院は必要なくなります。

このように、精神科の包括ケアは、精神疾患を持つ方だけではなく、社会全体に利益をもたらす社会的なシステムなのです。しかし、残念ながら、まだまだ精神科の医療現場で包括ケアは普及していません。

多くの人が精神科の包括ケアを求めなければ、精神科の包括ケアは世の中に広まりません。まずは、あたなが精神科の包括ケアを求めてみませんか? それがあなた自身の幸せに繋がるだけでなく、精神医療を変え、社会を変える一歩目になります。

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